somnambulism ~夢生人~

夢と現実ないまぜの日記です

今回の研修で学んだ事

わが社の研修には、外部コンサルタント会社から講師を招くことがほとんどである。 その日は例外で、講師はわが社の人事部社員で、年齢は30代半ばの若手であった。 こんな若手社員に何を教わる事があるのか等と斜に構えてみていたが、侮るなかれ恐ろしく饒舌…

ホテルのサービス

昨日は年に一度の会社主催の決起集会がホテルで開催された。 会の終わりには毎回それなりのコース料理が提供される。 一流ホテルの料理が楽しめるとあって、皆が楽しみにしているイベントである。 スープが配膳されたときに、サービス係の女性に声をかけられ…

図書館が好きな理由

私には趣味がない。 そのせいか、人と会話するのが億劫である。 私から話す事はほぼ無く、聞き役に徹するのであるが、人の話を聞いて、相槌を打ち、質問を捻りだし、笑い声をあげる、その作業に辟易としている。 そんなわけで、休日にする事が無い。 通常は…

空き巣

家に帰るとリビングの窓が完全に開いていた。 その横にぐにゃりと形を変えられた網戸が置かれている。 空き巣? この部屋にある盗られそうなものを確認して回る。 一眼レフ、ノートパソコン、スイッチ。どれも存在する。 部屋が荒らされた形跡もない。 何?…

高坂政典の草刈り

従業員通用口の前で一礼し、ドアを開け職場に足を踏み入れる。 その作動は、この職場で働き始めた最初の日から、一度たりとも欠かした事が無い。 高坂にはそう言ったルーティンが数多くあった。 ドアノブを持つのは左手、新たな境界に踏み入れるのは右足。 …

キャノンリング

新しいアトラクションがが面白いという噂を聞き、私は妻と下の娘を連れ、久しぶりに遊園地に訪れた。 そのアトラクションはキャノンリングと言い、チューブ状のサーキットの中で、周回している悪役が放つ弾丸から逃げるという、鬼ごっこのようなシンプルなも…

天才の思考回路

その日は夕方5時に哲哉の家に集合する事になっていた。 5分前に哲哉の家のチャイムを押すと、先に来ていた俊彦が中からドアを開け顔を出した。 『いらっしゃい』自分の家のように言った俊彦の長髪をのれんのようにかき分け、「おじゃましまーす」と哲哉に聞…

真由花

キャメルのスゥエードブルゾンに、薄いデニムのミニスカート、黒いロングブーツを履いた彼女を見かけた時、私は思わず2度見してしまった。 一度目は、この時代にアムラーとは。 二度目は、だが、それがいい。 バーでも行かないかと声をかけてみると、OKの返…

VAR判定

ヒュルルルル~。 寒風吹きすさむ中、わが町内会のオッサンで結成したサッカーチームは、隣町のサッカーチームと、地域ナンバーワンを決める因縁の対決を迎えていた。 両軍にらみ合い、その様子は格闘技の試合前を思わせた。 場所は寂れた市営野球場。 観客…